カート・購入|2026.06.23

「お客様情報を保護しています」— 決済時にセキュリティを明示する添え言葉

クレジットカード情報の入力は、オンライン購入で最も不安が高まる瞬間。SSL表示やセキュリティメッセージをフォーム周辺に添えることで、その不安を和らげる4つの事例を紹介します。

宮永邦彦
代表取締役 宮永邦彦
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カード情報入力は最大の心理的ハードル

ECサイトで購入を進めるユーザーが、最後にためらう瞬間があります。クレジットカード番号を入力するときです。「このサイトに入力して大丈夫か」「情報が漏れないか」——初めて利用するサイトではなおさらです。

この不安に対して効果的なのが、決済フォームの周辺にセキュリティを明示する添え言葉です。SSLバッジ、暗号化の説明、「安全です」という一言。たった数文字の添え言葉が、ユーザーの手を止めるか進めるかを左右します。

事例

チャップアップ公式ショップ — フォーム最上部でSSLバッジ+テキストの二重保証

チャップアップ公式ショップの購入フォーム最上部に、RapidSSLバッジと「SSL暗号化通信により保護されております」の表示
チャップアップ公式ショップ — フォーム冒頭にSSLバッジとテキストを並列配置

チャップアップ公式ショップでは、購入フォームの最上部——商品を選択するより前の位置——に「SECURED BY RapidSSL」バッジと「お預かりする個人情報はSSL暗号化通信により保護されております。」というテキストを並べています。第三者認証機関のバッジという視覚的な信頼シグナルと、日本語による具体的な説明を組み合わせることで、フォームに触れる前にセキュリティの懸念を先回りして解消しています。

💡 さらに改善するとしたら

SSL表示に加えて、決済手段のロゴ(クレジットカードブランドやAmazon Pay等)をフォーム周辺に並べると、セキュリティの安心感がさらに補強される。 「Microcopy: The Complete Guide」Chapter 16: Alleviating Concerns and Suspicions

Hamee — 「すべての取引は安全であり、暗号化されています。」の一文

Hameeのチェックアウト画面。「お支払い情報の選択」見出しの直下に「すべての取引は安全であり、暗号化されています。」と表示
Hamee — カード情報フォーム直上のセキュリティメッセージ

Hameeのチェックアウト画面では、「お支払い情報の選択」という見出しの直下に「すべての取引は安全であり、暗号化されています。」と一文だけ添えています。注目したいのは、カード情報の入力フォームを目にした瞬間にこの一文が視界に入る配置です。「安全」と「暗号化」という2つのキーワードを短い一文に凝縮し、最も不安が高まるタイミングで的確に安心感を届けています。

💡 さらに改善するとしたら

テキストの横に鍵アイコンや決済サービスのロゴ(Visa、Mastercard等)を添えるとよい。 「Microcopy: The Complete Guide」Chapter 16: Alleviating Concerns and Suspicions

コメリドットコム — カード情報の自動保存を先回りで説明

コメリドットコムの会員登録フォーム。クレジットカード情報の自動保存について説明文と「都度入力する」チェックボックスが表示されている
コメリドットコム — カード情報保存の仕組みと制御手段をあらかじめ開示

コメリドットコムは、セキュリティの明示を少し違う角度で実践しています。会員登録フォームのクレジット決済情報セクションで「次回以降クレジットカード情報を入力することなく決済が行えます」と自動保存の仕組みを説明したうえで、「都度入力する」チェックボックスを用意しています。カード情報が勝手に保存されるのではという不安に対し、デフォルト動作を隠さず開示し、ユーザー自身がコントロールできる出口を明示している点が誠実です。

💡 さらに改善するとしたら

「次回以降クレジットカード情報を入力することなく決済が行えます」という利便性の説明に加えて、「お客様のカード情報は暗号化して安全に保管されます」のようなセキュリティの保証を一文添えると、情報保存に対する不安をより確実に解消できる。 「Microcopy: The Complete Guide」Chapter 16: Alleviating Concerns and Suspicions

Amazon.co.jp — 「お客様情報を保護しています」平易な言葉での安全宣言

Amazon.co.jpの商品詳細ページ。支払い方法の横に「お客様情報を保護しています」と表示
Amazon.co.jp — 支払い方法ラベルの直横にセキュリティメッセージを配置

Amazon.co.jpでは、商品詳細ページの支払い方法セクションに「お客様情報を保護しています」と表示しています。「SSL暗号化」のような技術用語を使わず、誰にでも伝わる平易な言葉で安全性を宣言しているのが特徴です。「保護しています」という現在進行形が「今この瞬間も守られている」という継続的な安心感につながる表現です。支払い方法というまさにセキュリティを意識するラベルの横に配置し、ユーザーが不安を感じる瞬間に自然と目に入る設計です。

💡 さらに改善するとしたら

「お客様情報を保護しています」の横に鍵アイコン(🔒)を添えると、テキストを読まなくてもセキュリティの意味が視覚的に伝わる。 「Microcopy: The Complete Guide」Chapter 16: Alleviating Concerns and Suspicions

紹介サイト

  • チャップアップ公式ショップ — 育毛剤・スカルプケア製品の公式通販
  • Hamee — iFaceブランドを中心としたスマホケース・アクセサリー専門通販
  • コメリドットコム — 工具・建材・DIY用品など約13万点を扱うホームセンター通販
  • Amazon.co.jp — 書籍から家電まで幅広いカテゴリを扱う日本最大級の総合通販

マイクロコピーの観点

Microcopy: The Complete Guide
Microcopy: The Complete Guide (2nd ed.)
Kinneret Yifrah 著 / NEMALA / 2019年

「Microcopy: The Complete Guide」p.219 では、オンライン購入は最も心配なプロセスの一つであり、クレジットカード情報の安全性がユーザーの主な懸念だと述べられています。カートからチェックアウトに進むボタンや支払いフォーム自体で、この懸念に対処する価値があるとしています。

同書ではAirbnbの事例として、クレジットカード番号フィールドの中にセキュリティに関するツールチップを配置している例も紹介されています。まさに不安を感じる場所で安心感を提示するという考え方で、今回取り上げた4サイトもそれぞれの方法でこの原則を実践しています。

※ マイクロコピーは株式会社オレコンの登録商標です。

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