商品詳細|2026.02.23

「1個あたり○○円」「○○円お得」— 単価と節約額の数値化で購入を後押しする添え言葉

「高い?安い?」の判断を、1個あたり単価や節約額の数字でユーザーに代わって計算。お得感を直感的に伝える3つの事例とマイクロコピーの観点を紹介します。

宮永邦彦
代表取締役 宮永邦彦
|

ユーザーに計算させない

ECサイトで商品を見ているとき、ユーザーの頭の中では常に「これは高いのか、安いのか」という計算が走っています。セット商品なら「1個あたりいくら?」、中古品なら「新品と比べてどれくらい安い?」、容量違いなら「どのサイズがコスパがいい?」。

こうした計算をユーザーに任せてしまうと、面倒になって離脱するか、判断を保留してしまいます。そこで効果的なのが、単価や節約額をあらかじめ数字で添えておくというアプローチ。ユーザーが自分で計算しなくても、お得さが一目で伝わります。

事例

LOHACO — セット購入の1個あたり単価を明示

LOHACOの商品詳細ページ。セット合計価格の下に「1つあたり2,690円(税込)」と赤文字で表示
LOHACO — 2個セットの1個あたり単価を価格直下に表示

LOHACOでは、2個セット商品の合計価格「5,380円(税込)」の直下に、「1つあたり2,690円(税込)」 と赤文字で表示しています。単品価格が3,553円であることを考えると、セット購入で1個あたり863円安くなる計算ですが、その差額をユーザー自身が割り算する必要はありません。

日用品のまとめ買いサイトでは、セット商品の合計金額だけを見ると「高い」と感じがちです。しかし1個あたり単価に分解して見せることで、ユーザーの比較基準が「合計額」から「単価」に切り替わり、お得感が直感的に伝わります。

💡 さらに改善するとしたら

1個あたりの単価に加えて「単品より863円お得」のように節約額を明示すると、お得感がさらに直感的に伝わる。 「Webコピーライティングの新常識 ザ・マイクロコピー [第2版]」第3章 コンバージョンボタンのマイクロコピー — 3-11

カメラのキタムラ — 中古品の節約額を金額で提示

カメラのキタムラの商品詳細ページ。中古品案内に「新品より最大73,510円お得!」と赤字で表示
カメラのキタムラ — 新品との価格差を節約額として明示

カメラのキタムラの新品商品ページでは、価格エリアの下に中古品の案内ボックスが表示されます。注目したいのは 「新品より最大73,510円お得!」 という一文。「中古品もあります」と案内するだけでなく、新品との価格差を具体的な節約額として赤字で強調しています。

カメラやレンズは高額商品なので、数万円単位の節約は購入判断に大きく響きます。さらに「中古商品が29点あります」と在庫数も数字で示すことで、選択肢の豊富さまで具体的に伝えています。曖昧な「お得」ではなく、金額と点数という2つの数字がユーザーの背中を押す構成です。

ドクターシーラボ — 容量を使用日数に変換

ドクターシーラボの商品詳細ページ。容量選択肢に「28mL 約10日分」「100mL 約2〜3週間分」などの使用日数が併記
ドクターシーラボ — 容量の選択肢に使用日数の目安を併記

ドクターシーラボでは、スキンケア商品の容量選択UIに 「28mL 約10日分」「100mL 約2〜3週間分」「150mL 約1〜1.5ヶ月分」「285mL 約2〜3ヶ月分」 と使用日数の目安を添えています。

スキンケア商品の「28mL」と「100mL」の差がどれだけの期間に相当するか、多くのユーザーは即座に判断できません。使用日数に変換することで、「旅行用なら10日分の28mL」「毎日使うなら2〜3ヶ月もつ285mL」と、自分の生活に合わせた選択が直感的にできるようになります。単価の数値化とは少し異なるアプローチですが、「数字を生活実感のある別の数字に変換する」という点で同じ効果を持っています。

💡 さらに改善するとしたら

各容量オプションに「1日あたり約○○円」のようなコスト換算を添えると、大容量ほど割安であることが直感的に伝わり、アップセルにつながる。 「Webコピーライティングの新常識 ザ・マイクロコピー [第2版]」第3章 コンバージョンボタンのマイクロコピー — 3-11

もっと事例を見る

単価や節約額を数字で見せるパターンは、さまざまなジャンルのサイトで工夫されています。ポイント還元の比較、分割払いの月額換算、期間限定割引の金額明示など、さらに7サイトの事例を 単価と節約額の数値化 — もっと事例を見る にまとめました。

紹介サイト

  • LOHACO — アスクルとLINEヤフーが運営する日用品中心の個人向け通販
  • カメラのキタムラ — カメラ・レンズなど写真関連機器の専門通販
  • ドクターシーラボ — 皮膚科学に基づくスキンケアブランドの公式通販

マイクロコピーの観点

ザ・マイクロコピー
Webコピーライティングの新常識 ザ・マイクロコピー [第2版]
山本琢磨 著 / 秀和システム / 2022年

「ザ・マイクロコピー」p.76 では「『今すぐ計算する』よりも『1分で計算する』のボタンの方が16%も見積もりをする人が多い」というテスト結果が紹介されており、数字の具体性が説得力を高めることが示されています。同書ではSpotifyの「3ヶ月無料で始める」やClickFunnelsの「14日間の無料トライアル」なども好例として挙げられています。

また p.83 では「節約は買い物をする上で何よりのメリット」と述べられています。単に「お得」と言うのではなく、「73,510円お得」「1個あたり2,690円」のように具体的な数字で節約額や単価を示すことが、ユーザーの購入判断を後押しするのです。

※ マイクロコピーは株式会社オレコンの登録商標です。

参考になりましたか? ぜひシェアしてください!